敷引きは関西方面で使われている不動産取引の慣習で関西以外の地域でも敷金償却などといった名称で使われています。これは、退去による明け渡しの際に、入居時に預かった敷金(保証金)の一部を差し引く特約のことをいいます。例えば敷金(あるいは保証金)として入居時に30万円預けたときに、退去時にこのうち20万円を「敷引き金」として返還しないとあらかじめ決めたうえで契約を行うものです。賃借人はどんなにきれいに使用したとしても、この金額は返還されず、この金額内で補修費用等が賄えない場合は、不足分の請求をされる場合があります。これは古くからの慣例として認められてきており、現在も慣行されています。この約定は合理性があり、金額が著しく高額であるなど特段の事情がない限り、その合意は有効なものとされています。しかしこの慣例は、場合によっては賃借人の義務を加重するものとして現行の国土交通省ガイドライン等の主旨にそぐわないとの見方から、最近では違法と判断されるケースも増えています。ここで、問題となるのは、契約時にこの特約について詳細かつ具体的な説明がなされたかどうかということで、それがなされてかつ賃借人が同意した場合には有効となる可能性が高い。敷引きも例えば「周辺の家賃相場に比べ、賃料を低く設定するための代償」として使われている場合などは、正当なものとして認められることもあります。





